FC2ブログ

書かなくていいラブレター

彼氏がとても忙しそうで、私は私でなかなか忙しいので、お互い連絡をしないで一週間経った。

忙しくて全然会えない彼氏に「話したいことがあるから会おう」と告げたら、半月先の日付を告げられた。
「こんなに会うのが大変って、どこの要人!?」と思ったけど、責任のある立場の人だし、なにより不器用な人だし仕方がない。

約束の日までの間、普段どおり話していたら私の真剣な思いがうやむやになってしまいそうで、それならちょっと息抜きをしようと思って連絡するのをやめた。
あちらからも来ないので、今はその方が彼も気楽なのだと思う。


歳をとると時間が過ぎるのが早くなり、あっという間に一年が過ぎて行くけれど、この一週間はずいぶん長く感じる。

仕事とか日常生活という面では今まで通り早いけれど、彼と私という関係だけで見ると、一日一日が長く、何ヶ月も経ったみたいに感じる。


元気かな。
約束してるけど、覚えてるかな。
忙しいかな。
忙しいよ、ってちゃんと連絡くれるのかな。
私のこと忘れてしまったかな。

ん?
もしかして私たち、別れたのかな?


って、そんなはずはないんだけど、そんな気までしてくる。


恋人との別れって急にやってくるもので。
変わりない日常の中、急に突きつけられるさよなら。
そういうときだいたい私は駄々をこねて粘るのだけど無理なものは無理で、ポカンとひとり残される。

ひとりになってからすぐ、「ああ、会いに行きたいな」と思う。

「これは気が狂ったな」と思った。
あのときは10月だった。
何年前だったか、もう忘れた。


この一週間、私は仕事をたくさんして、いつもの仲間と遊ぶ計画をしたり、バイクに乗ったり、家族に会ったり、ライブに行ったりもした。

私はひとりでもたぶん、楽しくやっていくだろう。


でも会いたいな。
だって好きだもの。

2018年08月30日(木) 22時59分

黒蜜きなこの猫とプレゼントを買う男

今朝、家のそばでめずらしく猫を見た。

家と駅のちょうど中間ぐらいのところにいつも挨拶する三毛猫がいるのだけれど、他に顔見知りの猫はいないから、思わぬ新顔登場にうれしくなってしまった。

黒と茶トラがまだらに混じっている、ボサッとした尻尾の猫。
首輪はしていない。野良か飼い猫かはわからない。

古いマンションの前の道端にすっきりした顔で「スン」と座っているけど、お腹まわりだけ太っているのかそれともお腹が大きいのか毛並みのせいなのか、なんだかぽってりしていた。

立ち止まって見ると怖がらせてしまいそうなので、そのまま駅に向かった。

会社で仕事をしているとき、「あいつのあだ名は何にしよう?」と急に思った。

黒に混じった茶トラ。
甘そうな茶トラ……きなこ……でも黒い……。

あ。

決めた。「信玄」にしよう。
オスでもメスでも。
黒蜜を垂らしてきなこと混ぜた信玄餅に似ているから。

名前をつけたら急に会いたくなった。
また会えるといいな。




母が、私の使っている財布がとても使いやすそうだから色違いが欲しいと言うので、仕事のあとに有楽町に買いに行った。

金曜日の有楽町はおまつりみたい。
私は丸の内とか銀座とか好きみたい。街並みが整ってると安心するからじゃないかと思う。
整ったものを好む自分って弱い気がしてあまり好きじゃないけど、無理してもダサくなるばかりだし。
まあ、少し苦手な街は風俗店と飲み屋が立ち並ぶゲロが多くて臭いところぐらいで、それだってそれなりに哀愁があって好きだし、街はだいたいどんなところでも好き。知らない街でも、ひとりぼっちでよく散歩する。
自分をいろんなところに放したい。


「そんなことより親孝行だ!」と思ってお店に行ったら、三十歳前後の男の人が財布の前で「うーん」と悩んでいた。
女性物ばかりのお店だから、プレゼントなんだろうなと思って見ていたら、やっぱりお店の人に「プレゼントなんです」と言った。
それを見ていたら、なんか急に泣き崩れてしまいたくなって。
勝手なもんです。


はずかしそうに笑ってプレゼントを選んでいる男の人を見て、素敵だな、こんな人がいいな、って思ってしまった。
本当に勝手なもんです。


あの男の人が財布をプレゼントする大事な人は、もしかしたら財布が欲しいんじゃないのかもしれない。
ただ、男の人が自分のことを一生懸命に思ってくれる時間が欲しかったのかもしれない。
財布は財布でうれしいけど、いちばん欲しいのはきっとそれだと思う。

あなた、いま、すごく、思われてますよ。


こんなシーンを相手が見ていないっていうの、ちょっともったいなくて、すごく贅沢だな。

泣きたくなっちゃうな。


2018年08月25日(土) 05時04分

手応えない毎日

昔働いていた会社の後輩ちゃんから数年ぶりに連絡があった。

転職してコピーライターに戻ったよって伝えたら「言葉や表現に関わる仕事をしていてくれてうれしい」と言われた。


私、ほんとうに、そんなんじゃないんだよ。


当時はIT企業で、まわりはデザイナーやエンジニアが多く、ライター経験者は私ひとりきりだった。
そして未経験の後輩が数人。それと外注ライターさん。

ライターという仕事がフワフワ浮いているような会社にいたので試行錯誤したけれど、後輩ちゃんは私の書くものと私自身をその当時からすごく評価してくれていた。

辞めた後も「他のライターさんに頼んだけど全然良くないんです」って連絡をくれたり。

私もそのときは自信があった。
文章の向こうにいるお客さんめがけて書いていた。
後輩たちや外注ライターさんの書いたものにすべてディスプレイ上で校正をかけていたので、めちゃくちゃ酷いドライアイで苦しんでいたけど。


ちがう。
振り返って見る景色ほど綺麗に見えるだけ。

私そんなんじゃないんだよ。
前からずっとダメなんだよ。
今なんか小手先だよ。何も書いてないし。

ネットを眺め、テレビを眺め、同じ本を何度も読む。
暮らしに新しいことはなくて、ちょっと外を散歩してはみるけど、だいたい毎日何も変えずに澱んでいる。

生きていて「手応える」ってことがない。

何もない。


いや、友だちと遊ぶことと厳しめにやってるときの減量ぐらい……。

(厳しめ=朝と晩をプロテインにします。3週間やって今ちょっと挫けてます。今日はおいしいものを食べます)


2018年08月19日(日) 09時48分

サバサンドのカフェで

ここに住んでもうすぐ3年になるけれど、街におしゃれなカフェがずいぶん増えた。

休みの日の贅沢として「カフェにお昼ごはんを食べに行こう」と思い立って、3つ4つの店が頭に浮かぶ。
行きたい場所があるということ自体、贅沢な気がする。

カフェがカルチャーになってもう何年だろう。
って、偉そうに言ったけど、カフェ以前の喫茶店の存在を考えたら「もう何年」なんて言葉はお恥ずかしい知ったかぶりかもしれない。

まだ10代の頃、スタバが流行りはじめたあたりで「カフェに行く」という選択肢が自分の中にできた気がする。
行くったって、原宿に遊びに行ったとき限定だったけど。
背伸びしてキャラメルフラペチーノを飲んだ。


今日はスモークしたサバのサンドがおいしいカフェに来た。2回目。
ちょうど昨日で一周年だったそうで、ノベルティをもらった。
前に来たときよりたくさんお客さんが来ている。カップルも、ベビーカーの家族連れも。
一周年おめでとうございます。

しばらくぶりに来たら、サバサンドに付いていたすごくおいしいピクルスとポテトは付かなくなったみたい。
そうですよね。
そりゃあ、そうですよ。
前にちょっとサービス良すぎるって思ったもの。
でもあのピクルスおいしかったな。


本を持って来たので、もう少しの間ここにいようかなと思う。
おしゃれなカフェのすましたカウンターで読むと捗る。
(しかし私は尻の骨が尖っているので、おしゃれなスチールのイスに座り続けるとお尻に褥瘡ができそう……イテェ……)


恋人はいま海外出張中。
なかなかネットが繋がらないらしく、途切れ途切れにLINEが届く。
写真はどうやら送れないみたい。

忙しくてずっと会ってないし、それが私たちの日常だけど、海外にいるって言われると途端に寂しくなってしまって、眠る前に彼の写真を眺めてから眠るようにした。

そのことをLINEしておいた。
少し遠い空の下で「かわいいやつめ」と思ってもらおう。


2018年08月04日(土) 16時00分